COLLECTIONS

ガルース
原産国
イラン
組  成
毛 100%
サイズ
約327×200cm
商品番号
No.79898E
在庫状況
浅草店
ガルースという産地名をご存じの方は、あまり多くないかもしれません。私自身も、これまでの入荷で目にしたのは数枚ほどで、出会う機会の少ない産地のひとつです。

ガルースは、イラン西部のビジャーと歴史的・地理的なつながりが深い地域として知られています。ビジャーの絨毯といえば、硬く締まった織りと重厚な質感が特徴ですが、こちらも厚みがあり、しっかりとした重量感を備えています。一方で、ビジャーの絨毯ほどの硬さはなく、また異なる風合いを楽しめます。

デザインにも個性があります。ビジャーでよく見られるマヒデザインとは異なり、メダリオンを中心に、草花やアラベスクを組み合わせた華やかな意匠が広がっています。

なかでも目を引くのが、メダリオンの周囲に描かれた独特のモチーフです。

メダリオンを小花が取り囲む構成は、ペルシャ絨毯ではおなじみのものですが、こちらには花瓶や古代の土器を思わせる図柄が組み込まれています。さらに、その間には麒麟やドラゴンを連想させる不思議な生き物が描かれ、四隅にも土器のようなモチーフが配されています。花瓶を思わせる図柄の両脇には、ドラゴンの頭のように見える意匠もあり、細部を眺めるほどに興味が深まります。

よく見ると、メダリオンの上下にあるモチーフには花が生けられているように見える一方、メダリオンや四隅のものには花がありません。花瓶と土器を描き分けているのだろうか、と想像が膨らみます。

産地について調べてみると、こうした古代の器物や遺物を思わせるデザインは、カシュマル産の絨毯にも見られることが分かりました。そのため、文様からはカシュマルとの関連も気になるところです。ただし、デザインだけで実際に織られた産地を特定することはできません。こちらはインボイスにガルースと記載されているため、ガルース産としてご紹介しています。

現在では、特徴的なデザインから産地をイメージしやすい絨毯も多くありますが、こちらのように、文様を読み解きながら産地について考えたくなる一枚もあります。

絨毯の美しさを楽しむだけでなく、そこに描かれたモチーフの意味や、地域ごとのデザインの違いに思いを巡らせることも、ペルシャ絨毯ならではの魅力です。
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